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コラム
9.192019
現代社会で発生 「緊張汗」
汗は生きる上で欠かせません。
そしてに汗にはいろいろな種類があります。
特に、体温をコントロールする汗、「温熱性発汗」は、ヒトの進化とも関係し、QOLの維持にはとても重要です。
一方、日常生活の中で、暑くもないのに顔、手のひら、ワキなどに汗をかくことを経験している人は多いはず。
その場合、どのような状況か思い出してみてください。
人前で話すとき、面接やプレゼンテーションなど、緊張や焦り、不安、驚きといった精神的なことがきっかけになったのではないでしょうか。
このような状況下で出る汗は、体温維持とはあまり関係ない汗で、区別して 「緊張汗(精神性発汗)」と呼ばれます。
精神性発汗・温熱性発汗のメカニズム
暑いときや運動したときに出る「温熱性発汗」と「緊張汗(精神性発汗)」のメカニズムの違いを追ってみましょう。
温熱性発汗は、体温や皮膚温などの温度情報と、運動しているときには筋肉からの情報を脳の体温調節中枢がキャッチして、汗を出す命令を発信することで起こる発汗です。
手のひらや足のうらを除く全身で汗がみられ、上がった体温を下げる働きがあります。
温熱性発汗はおもにエクリン腺からの汗で、99%は水でにおいはほぼありません。
一方、「緊張汗(精神性発汗)」は精神的な変化に応じて出る汗で、手のひらや足のうら、ワキなどの限られた部位で発汗が起こります。
「緊張汗(精神性発汗)」はエクリン腺とアポクリン腺からの汗で、たんぱく質やミネラルなどを含む脂質の汗でにおいがあります。
温熱性発汗と「緊張汗(精神性発汗)」は異なるメカニズムで起こりますが、完全に独立して働くわけではありません。
たとえば、全身に汗をかいているときに精神的な刺激が加わると、全身の発汗も同時に増えることがわかっています。
また、運動をはじめたときなどは、手のひらなどの「緊張汗(精神性発汗)」が見られる部位でも汗が増加します。
「緊張汗(精神性発汗)」は、ヒトがサルのように木の上で生活していたときのなごりで、獲物をとらえたり、敵から逃げたりするときに、手足がすべらないように湿り気を与える役割を果たしていたとされています。
また、ワキからの汗はニオイを多く発生しますが、かつてはそれが種族の同士の目印になっていたようです。
しかし、現代社会で生活するうえでは、このような汗の働きが求められるシーンはあまりありません。
緊張汗が過剰に起こると、かえって日常生活ではマイナスで、悩みの種になることも少なくありません。
汗をかく動物は、じつはそんなに多くありません。
しかも暑いときや運動したときに大量に汗をかくのは、ヒトとウマくらいのものなのだそうです。
ネガ汗
仕事中に自分の汗やニオイが気になる女性は多く、特に部下がいる女性は、部下のいない女性よりも仕事中の汗、ニオイが気になっている割合が高いそうです。
接客や打合せなど、仕事中に他人と接する機会が多いバリバリのキャリアウーマンが感じるネガティブな汗がある一方で、育児においても、様々なシーンで“ネガ汗”を感じている女性がいることが分かりました。
対処法
精神的な方法で言えば、「汗を止めなければ」と悩むのではなく、むしろ「どんどん汗をかいてやろう」と思って努力をするのです。そうすることで、不思議と止めようと思うより汗が引くのが早くなります。
直接的な方法では塩化アルミニウムを発汗する部分にぬる処方などで対応できます。
市販品でも塩化アルミニウムを含んだ製剤が出ているので、スティックやクリームカプセルなど、直接ぬる制汗剤で、緊張汗や暑い日のわきの汗を抑えることができます。
いずれも、汗が出ることは本能であり、決して悪い事ではありません。
汗とは仲良く付き合っていきましょう。