運動には酸化ストレスや炎症、免疫老化を防ぐ役割があります。
そして、テロメアの維持を助ける作用もあります。
遺伝的条件が同じ一卵性の双子1200組の研究からも、カラダを良く動かす双子の片割れは、あまり動かさない片割れよりもテロメアが長いことが確認されています。
加えて分かった事は、「座りっぱなし」が細胞の健康からみて非常によろしくないという事実。
座ってばかりいる人のテロメアが、運動を習慣にしている人に較べると短い事が判明したのです。
一般的に運動が良いとして、どのような運動プログラムがテロメアに対し有効なのでしょう?
ドイツの医学研究者が、被験者に対し3種類の運動を用意し、どのタイプの運動がテロメアに有効なのかをテストしました。
総括としては、テロメラーゼの補充作用は、運動によって確かに増加されているという事が確認されました。
その3種類の運動とは
(A)中程度の有酸素運動を一回45分間、週3回のペースで6カ月間の継続
(B)高強度インターバルトレーニング( High Intensity Interval Training ) 少しの休憩を挟みながら、全力走を繰り返すトレーニングを継続
(C) レジスタンス運動 様々な種類の負荷を加えて筋肉を成長させるトレーニング
この3種の運動のうち(A)と(B)が、わずか半年後にテロメラーゼの値が2倍に増えたという事です。
(C)、いわゆる筋トレはテロメラーゼの活性に顕著な効果は見られませんでした。
一方で、数千人のアメリカ人を対象にした調査からは、例えばウォーキングと自転車と筋トレなど様々な種類の運動を行う人ほど、テロメアは長いという結果が出ています。
筋トレ自体には、テロメアの伸びとの顕著な関連性はないものの、筋肉量を増やすことにより、骨密度を増やしたり、バランス感覚を養うことに繋がります。
有酸素運動の補完としての筋トレは、結果的に細胞の老化を防ぐ役割を担っていると言えるでしょう。
「運動をする人のテロメアは、しない人に較べて長い」
「細胞の健康のためには少し強めの有酸素運動が必要だ」
というのが今回の結論となりますが、
本コラムではもう一点、
「テロメアの伸長のためには、継続的な運動に加え、定期的な細胞のデトックスが必要である」とお伝えします。