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コラム
10.112018
TPOに合わせた入浴の奥義
日本人に「お風呂は好きか?」と尋ねると90%は好きと答えます。
のんびり長時間派、カラスの行水派、熱湯派に温湯派、ソルトやアロマ、ながら入浴etc…
生活スタイルや環境に合わせて入浴方法も様々。今日は少し入浴を科学してみたいと思います。入浴にはどんな作用があるのか改めておさらいしてみましょう。
1、温熱作用
温かいお湯に入るとまずは体の表面温度が上がります。
お湯に触れる皮膚にも多くの血管があり、この血管を通して血液が全身に巡るので体全体が温まります。
体が温まると全身の血管が拡がり、血液の流れが良くなります。
入浴の基本は、40度位のお湯に約10分間。血行が促進され、関節の緊張が和らいで肩こり、腰痛、筋肉痛などの痛みが解消され、新陳代謝が活発になります。
2、水圧作用
お風呂に入ると体に水圧がかかります。肩まで浸かってウエストを測ると数センチも縮んでいるほど!
この水圧によって脚が締め付けられ、下半身に溜まった血液が心臓へ戻り、血液循環を促進させます。
ただ、心臓や肺に負担がかかるため体が弱い人は注意してください。
この水圧のおかげで、血液循環の促進、むくみ解消などに効果的に作用します。
3、浮力作用
水に浸かることで、水面下にある体積分、体重が軽くなります。
例えば肩までお湯に浸かっていれば、浮力によって体重が約1/10となり、60kgなら6kgになる計算です。したがって、重力から解放され、足腰の負担が軽減し、筋肉の無駄な緊張もなくなります。
入浴心得としては
・入浴前後にコップ1~2杯の水分を摂ること
・かけ湯→半身浴→全身浴のように少しずつ水圧に慣らして体への負担を少なくすること
この2点を心がけてください。
人の体には、意識的に働かせられない自律神経があり、この自律神経には交感神経(興奮状態にする)と副交感神経(休息やリラックス状態にする)の2つの神経があることは皆さんご承知のことでしょう。
・短時間の熱湯でリフレッシュ効果
熱湯は健康に良くないと言われますが、必ずしもそうではありません。
42℃の少し熱めのお風呂に入ると交感神経が高まり、ONモード=緊張状態になります。
ですから出勤前の朝、短時間に熱湯でからだと気持ち引き締めるには有効です。ただし長時間は禁物!
・ゆっくりのぬる湯でリラックス効果
一方、夜寝る前に39-40℃のぬるめのお風呂に入ると副交感神経=OFFモードが刺激され、心身がリラックスして、寝つきはよく質の良い睡眠が得られます。
現代社会では、職場や人間関係などでストレスが高まり、絶えず緊張状態、すなわち交感神経優位の状態が続きがちです。
時間帯や曜日、出勤日と休息日など、TPOに合わせた入浴法を実践してみてください。
入浴を躊躇するほど疲れた晩でも、入浴してみて後悔する人はいません!