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コラム
7.52018
記憶力の良い人・悪い人
恐縮ですが、個人的な話から始めます。
私がランチをとるのは平日も週末も、殆ど外食です。
毎日できるだけバリエーションを求めていますので、同じ店やメニューが続くことは滅多にありません。
お恥ずかしい話、ランチをご一緒した人や料理の内容がよほど印象的な場合以外は、2、3日も経つと、どこの店で何を食べたかをすぐ忘れてしまいます。
実は、自分の記憶力の衰えにがっかりする、今日この頃です(苦笑)
記憶には、大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」があるそうです。
短期記憶は数時間から1日ごとに消えていく一時的な記憶です。
短期記憶を処理するのは、以前もこのコラムでご紹介した海馬です。
この海馬は脳につぎつぎ入ってくる情報を短期記憶の中から消去すべきか、長期記憶として残しておくべきかを振り分ける役割をします。
海馬が長期記憶にすべきと選んだ情報は、大脳皮質という場所に保存されます。
それでは、海馬は何を基準に短期記憶と長期記憶への振り分けを実行しているのでしょう?
その答えは、「この記憶が生きていくために必要かどうか」
人間にとっては他の何より重要なのは生き残ることで、生死に関わるような情報が、何よりも優先されるのは当然のことです。
しかし、この海馬を勘違いさせ、長期記憶の貯蔵庫に入れてしまう方法があります。
記憶に、
『印象的なイメージを持たせる』
『とにかく繰り返す』
の2つがポイントです。
一般に記憶力の良い人は、自分なりにどうやったら覚えやすいかを工夫します。
歴史の年号を覚えるときも『大化の改新、645(ムヅカシイ)』と語呂でイメージづけしたりします。
(※現在の教科書では、大化の改新の発布は、西暦646年という説になっているそうです。)
さらに扁桃体(へんとうたい)を活用することも重要です。
扁桃体は感情を生み出す働きをするので、歴史上の人物のことも史実に自分なりにストーリーを加え、『このとき聖徳太子は、さぞかし大変だったろうな』などと共感し、イメージしてみることです。
そして、更に重要なのは『とにかく繰り返す』こと。
何度も脳に情報を繰り返し送り続けると海馬は勝手に『これは生死にとって重要なのかも?』と判断してくれます。
言葉は悪いですが、海馬をだますことが長期記憶にとって重要なのです。
もし忘れてしまっても、落ち込む必要はありません。
脳には「記憶すること」よりも「忘れること」を優先する傾向があります。
忘れたら、『また覚え直せばいい…』
記憶力の良い人は、忘れることに対し、楽観的で、「反復すれば情報は記憶として定着すること」を知っている人です。
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