その答えは、「この記憶が生きていくために必要かどうか」
人間にとっては他の何より重要なのは生き残ることで、生死に関わるような情報が、何よりも優先されるのは当然のことです。
しかし、この海馬を勘違いさせ、長期記憶の貯蔵庫に入れてしまう方法があります。
記憶に、
『印象的なイメージを持たせる』
『とにかく繰り返す』
の2つがポイントです。
一般に記憶力の良い人は、自分なりにどうやったら覚えやすいかを工夫します。
歴史の年号を覚えるときも『大化の改新、645(ムヅカシイ)』と語呂でイメージづけしたりします。
(※現在の教科書では、大化の改新の発布は、西暦646年という説になっているそうです。)
さらに扁桃体(へんとうたい)を活用することも重要です。
扁桃体は感情を生み出す働きをするので、歴史上の人物のことも史実に自分なりにストーリーを加え、『このとき聖徳太子は、さぞかし大変だったろうな』などと共感し、イメージしてみることです。
そして、更に重要なのは『とにかく繰り返す』こと。
何度も脳に情報を繰り返し送り続けると海馬は勝手に『これは生死にとって重要なのかも?』と判断してくれます。
言葉は悪いですが、海馬をだますことが長期記憶にとって重要なのです。
もし忘れてしまっても、落ち込む必要はありません。
脳には「記憶すること」よりも「忘れること」を優先する傾向があります。
忘れたら、『また覚え直せばいい…』
記憶力の良い人は、忘れることに対し、楽観的で、「反復すれば情報は記憶として定着すること」を知っている人です。