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コラム
10.182018
男脳と女脳 ~神経神話~
2009年、OECD(経済協力開発機構)が公表して注目されたのが「神経神話(Neuromyths)」。
脳科学の分野では、科学的根拠がないもの、または研究途中のもの、時にはエセ理論とまで言われるものが、事実であるがごとく世間に流布されているものを「神経神話」と呼ぶそうです。
例えば・・・
・人間の脳は全体の10%しか使われていない
・右脳人間・左脳人間が存在する
・幼児期に速やかに学習しないと後々影響が出る
・男性の脳と女性の脳は違う ・・・などです。
特に脳の性差は、「神経神話」の最たるもの!
かつて、アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ(著書)は『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)の中で以下を述べています。
・男性脳は地図を読むのが得意
・男性脳は、映画を観た後にセリフを思い出す
・女性脳は料理をしながら電話ができるマルチタスク
・女性脳は、人と仲良くする方法を見つけるのが得意
一般的に男性は、空間能力に優れ、論理的で分析に優れ、几帳面でものごとを整然と処理するのが得意。
男性の行動は全て大なり小なり、「目的」というものに志向性を持っています。
一方女性は、どんな行動にも「共感」が大きなモチベーションとなっているのです。
女性は会話による協調性を大切にすると言われています。
女性脳は創造性、芸術性が豊かな反面、直感や感覚でものごとを判断するのが特徴です。
男性脳の特性は、人類が狩猟をして生活していた時代の遺伝子情報の影響が出ています。
命がけで行う狩猟で、男たちは効率的に獲物を捕らえるために、目的志向の脳が発達したと言われているのです。
対して女性は、獲物からいつ襲われるかわからないため、常に周囲と頻繁に会話をしてお互いの存在を確認し合っていたのです。
そのため、女性にとってのコミュニケーションは目的があるのではなく、コミュニケーション自体が一つの目的であったという見方もできます。
論理と感情という、相反するものが行動の根底にあるのですから、男女間でお互いの言動にカチンときたり、わかり合えないことが多いのは当然ですね。
延々と悩み事や出来事の経過を話し続ける女性に対して、先回りしてアドバイスしたり、話の目的や結論を求めてしまったりしてしまうのが無防備な男性の常。
これが女性からノーサンキューを食らってしまう所以です。
彼女らは「うんうん」とうなずいてもらいたい、共感を求めているのです。
と、ここまでの話は
なるほど、「男脳/女脳のあるあるだ!」と感心してしまいますが、これもまだ研究途中の「神経神話」の域ということなのでしょうか。
日本でも、数年前から脳科学のブームが続いています。
これから脳科学の分野は飛躍的に研究が進み、多くの謎が解き明かされていくことでしょう。