コラム

食欲の秋にこそ、満腹ホルモンを働かせましょう

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つい美味しくて食べ過ぎるこの季節。

「満腹感」のメカニズムを考えてみます。

体の中には、脂肪がたまってくると食欲にブレーキをかけるメカニズムがあります。

そのブレーキがきちんと作動するためには、クリアすべき条件があるのです。

人間が、生きる本能として感じる食欲=アクセルだとすると、ブレーキに当たるのが満腹感です。

 

食欲をコントロールしているのは、脳の「視床下部」というところです。

「この中に、“摂食中枢”と“満腹中枢”という、逆の衝動を起こす神経メカニズムがあると言われています。

 

 

■「レプチン」が、摂食を抑えて満腹感を高めてくれる・・・

視床下部には「食欲を高める神経」と「抑える神経」がそれぞれ数種類ずつあります。

神経から伸びた腕が、脳のほかの場所にシグナルを伝えると、私たちの心の中に「お腹が空いた」、または「ああもう満腹!」といった気分が湧いてきます。

前者が摂食中枢、後者が満腹中枢です。

 

特に大事な役割をしているのが、摂食中枢では「MCH神経」、抑制中枢では「α-MSH神経」。

実は体の中には、MCHを抑えてα-MSHを活性化する、願ってもないホルモンがあるのです。

それが「レプチン」。

「脂肪細胞が分泌するホルモンです。

脂肪細胞は、たまった脂肪の量が多くなるとレプチンを放出します。

すると食欲が抑えられ、体脂肪が減りはじめるのです。

 

では何故、私たちは太ってしまうのでしょう?

それは、“レプチン抵抗性”という現象があるためです。

 

レプチン抵抗性とは、レプチンが分泌されているのに視床下部が反応しなくなること。

実は、高脂肪食を食べていると、血液中のレプチンは視床下部に届かなくなるといわれています。

 

「血液脳関門といって、脳に流れ込む血液成分を制限する“関所”がありますが、ここの性質が変化して、レプチンが通過できなくなるのです。

せっかくやせるメカニズムがあると思ったのに、太ったら効かなくなるのでは意味ない・・・!

 

高脂肪食をやめれば、レプチンが効くようになります。

え?それってダイエットを始めれば食欲も収まるってこと?

話がスパイラル?

 

ダイエットしたい人には頭の痛いレプチン抵抗性ですが、元々は、生きていくために必要な機能。

なぜなら、人間が飢餓と隣り合わせの野生環境で暮らしていたころ、まれにマンモスのような大物を仕留めた場合には、満腹感を一時的に抑えて大量に食べ、体脂肪をためる能力は貴重だったのではないでしょうか。

 

 

■イヌイットが肥満でも健康でいられる理由

イヌイットの人たちも、レプチン抵抗性を活用しています。

寒いところの生活には、体脂肪が多い方が有利。

アザラシなどの高脂肪食を食べていれば、レプチン抵抗性が働いて体脂肪を増やせるのです。

 

アザラシの脂肪にはDHAなどのヘルシーな脂肪酸が多いのです。

だからイヌイットは太っても健康なのです。

近年、イヌイットたちの伝統的な食文化が失われる中で、肥満は減ってきたのに、心臓病などの発生率はむしろ増えているそうだです。

 

私たちは、伝統的なイヌイットの生活環境ではないので、レプチン抵抗性はとりあえず不要ですね。

満腹感を感じられる体でいましょう。

 

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